ヒゲおじさんと、ハイトーンボイスおじさん
デビューから50年、通算22枚目ですって。
鍵盤を弾いて踊るヒゲおじさん&オペラ歌手ばりのハイトーンボイスおじさんからなる兄弟ユニット、SPARKSの新作『Hippopotamus』が届きました。サイン入りリリックシートと7インチつきがほしくて海外サイトにLPを注文しましたが、ちゃんと届いてほっとしてます。(昔、The Flaming Lipsの限定盤が紛失し届かなかったのがトラウマ。)
スパークスの新作、とてもかっこいいね。直筆サインのリリックシートが嬉しい!! pic.twitter.com/Xcta1okCoO
— 5▲〒◎ (@analogtarou) 2017年9月17日
どの曲もポップで、メロディアスで、若々しくて。60歳をゆうに超えた今でも、ふたりの枯れ果てぬアイディアとセンスが遺憾なく発揮された"現役感"溢れる1枚です。
私にとってSPARKSはアイドルみたいなものです。「好きなものは誰かに伝えたくなるけれど、大好きだからこそ伝えきれない!困りましたな。」って存在です。そういうところから補正が掛かってしまう部分も少なからず(むしろ多く)あるわけですが、今回のアルバムはとても素敵な作品でした。
思い返すは08年のフジロック。
まだ10代で有り余る体力を持っていた私は、見たいバンドを見るために朝から会場をかけまわっていました。その日の最後、睡魔に襲われつつ足を棒にして訪れたオレンジコートに彼らがいました。
最初は人がまばらで、うすら寒いのは夜の苗場だからではない感じすらありましたが、徐々に客が増えて膨らんでいく様子には目が覚めました。「スパークス、ヤバイな」って。
当時は事前情報なしに見ていて曲をひとつも知らず、のちに知る「dick around」という曲では、突然スラッシュメタル調に変貌するところが強烈でした(ちなみにamazonではヘヴィメタルにもカテゴライズされている)。スパークスのステージはとても刺激に溢れるもので、これまで見てきた誰にも似てない音楽、今まで見たことのないパフォーマンスでした。それ以来、わたしはスパークスの虜となったのでした。
当時のライブレポがあったので引っ張ってきました↓
SPARKS|30年以上兄弟で芸やってます - FUJIROCK EXPRESS'08
その5年後、2013年のフジのライブも見に行きました。この年はお面作って妹と騒いでいたんですけど、公式FBに載せてもらったのもいい思い出です。ステージの2人から見えたかは定かでありませんが、心の底からうれしかった出来事です。
そして、10月には待望の単独来日公演があります。
妻に話したら「ずっと待ってたんでしょ?行ってきなよ。」と言ってくれました。そんな妻に感謝しつつ楽しんできたいと思います。会場は東京キネマ倶楽部。これまたステキな空間でのライブですのでとても楽しみにしています。10月はBeck、コーネリアスもいいけれど、こっちもよろしくって感じです。
当日の感想などはこちらです。(2017.11.15追記)
新作の話から逸れて、脱線どころか横転レベルまで話が変わってしまいましたね。まあいいってことにしましょう。
新作は日本盤もあります。
おそらくスパークス本として唯一となるであろう「SPARKS GUIDE BOOK」が私のバイブルなのですが、その著者・岸野雄一さんのユニット「ヒゲの未亡人」のアルバムもピックアップ。スパークス「I married myself」の日本語カバーも聴ける、秀逸なリイシューです。